たなちの開発日誌

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交渉が苦手な人は「自分のために」と考えてはいけない

自分のための交渉が苦手だったり、相手に気を使ってしまって控えめな要求をしてしまう人に役立つ考え方がありました。

結論を先に言ってしまいますが、その考え方とは「自分のことを他人のために交渉する代理人だと考える」ことです。

参考文献はこちらの本です。

GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)

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控えめな要求をしてしまう人

男性よりも女性の方が多いのですが、相手のことを考えると自己主張が中々できない人は一定数います。その人たちは、相手を喜ばせるような合意に達するためなら、自分の得になる選択肢が他にあっても譲歩してしまうのではないでしょうか?

人間を次の三種類に分けると、ギバーにあたる人です。

  • ギバー(人に惜しみなく与える人)
  • テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)
  • マッチャー(損得のバランスを考える人)

ギバーは自分の利益を主張することをためらい、他の人より控えめな要求をするため、交渉において良い結果を得にくいです。それを示すデータがありました。

カーネギーメロン大学の男性MBA卒業生は女性MBA卒業生よりも7.6%も給与が高いそうです。その理由は、はじめに提示された条件が同等でも、交渉の意欲に差があるため合意する段階で結果が異なるからです。交渉をした女性は、この男女差を帳消しにしていました。

カーネギーメロン大学の経済学者リンダ・バブコックの研究によると、男性の方が女性より交渉をする意欲が高いことがわかっています。

女性は「女性は控えめでやさしいもの」という一般的な期待を裏切りたくないと思いがちだ。そのため、男性ほど積極的に交渉する気になれないのである。

また、ノートルダム大学のティモシー・ジャッジ教授の研究によると、ギバーは平均してテイカーやマッチャーより収入が14%低く、年収でいうと7,000ドル(約70万円)の差があるようです。このデータを性別で分けると、収入の不利益は男性の方が女性より3倍多いそうです。

昇給を勝ち取った考え方

しかし、自分ではなく他人の代理人になったつもりで交渉に臨むとうまくいくという研究があります。

前述のバブコックは、「経営幹部の176人に対し、マーケティング担当者のために年俸と部長職への昇進を交渉させる」という実験を行いました。 女性の被験者の方が男性の被験者より3%年俸が低かったのですが、志願者になったつもりで交渉するのではなく、志願者の「恩師」になったつもりで交渉をするように求められただけで男性より14%も年俸をアップさせました。

同様に、仕事のオファー条件で女性が友人のために交渉をした方がうまくいったという研究もあります。

どうして交渉がうまくいくのか

自分の利益ではなく自分を便りにしてくれる人に損害を与えてしまうと思うと、その人達の利益を守るためにきちんと自己主張できるようになるということでした。

例えば、自分が家庭を持っていれば家族を養うために正当な昇給を交渉したり、プロジェクトリーダーならチームに無理をさせないために無茶な要求にノーと言えるようになったり、ということです。

さらに、ギバーの場合は別のメリットもあります。自己主張をすると相手を不快にさせるのではないかと心配してしまいがちですが、自分のためでなく他の人のために頼むことで相手から信用されやすくなります。自分以外の人間を進んで守る態度を示したことで、会社の利益を代表するときも同じように一生懸命やってくれる人だと思われるからです。

自分のためではなく、誰かのためにといった大義名分は人を動かすのに大事だということがわかります。

交渉で自己主張が苦手な方は、「誰かの代理人になったつもりで」取り組んでみると良い結果を得やすいので、試してみてください。